
セカンドライフ支援ツール
「空き人診断ツール」
「地域には“空き家”だけでなく“空き人”がいる」そんな会話から生まれた仕組みです。
ちょっと変わった名前ですが、定年後に何をすればいいのか迷っている人のための「今の自分を知る診断ツール」です。
何かやりたい・かかわりたい・能力をいかしたいと考えている人の背中を押すきっかけになるツールで、30代~80代の多世代が集まり、企画と開発を進めています。
<“空き人”とは?>
シニアの担い手を探している人はたくさんいます。
「ボランティア活動を手伝ってほしい」「週2日でいいから働いてほしい」などの声はあるものの、実際にはマッチングはうまくいっていません。
理由として、担い手の希望と仕事内容のミスマッチもありますが、多くは「声をかけてもらえばやるのに」「自分にできることがあるのかわからない」など、何となく”きっかけ”が見つからない人が多いのが現状です。
“空き人”とは、まさに地域に眠る人材です。時間があったり、心に余裕があったり、お金があったり、いわゆる「スタンバイ」している人材です。
その人材が、地域の担い手となって誰かを助けたり、役割をもつことで、「自分にもまだできることがあるんだ」と感じ、地域が明るくなるのではないかと考えています。
<空き人診断ツールが生まれるまで>
2020年10月、『BABA lab』と『シビックテクさいたま』の共催で、「空き人」に関するアイデアソン(※1)を開催、シニアや大学生、行政担当者などが集まり、以下の2点について議論しました。
・「空き人」とは何なのか?
・「空き人」が地域で動くためには何が必要か?
そこで出てきたアイデアが以下の2つです。
(1)気軽に参加できる「路上イベント」を検索できるツールがあれば、地域参加のハードルが低くなるのではないか
(2)空き人具合を診断するツールがあれば、自分の好きなことや出来ることがわかるのではないか
このアイデアについて実現可能性などについて検討した結果、「空き人状態をチェックするツール」を具現化していくことにしました。
※1 アイデアソンとは…アイデアとマラソンをかけ合わせた造語です。多様な人が集まり、あるテーマに基づいてアイデアやアクションプランなどを考えるイベントです。
<空き人診断ツールの企画>
毎週木曜日にミーティングを設定し、30代~80代まで幅広い世代が集まり「このツールを必要とする人は誰か」「どのように使われるのか」など、具体的なイメージをふくらませていきました。
結果、セカンドライフを迎える人が「自分には何ができるのか」「自分はいまどういう状態にあるのか」など、自分自身を知るためのツールにすることにしました。また、ツールの運用先として、シルバー人材センターや、セカンドライフ支援窓口、シニア向けのセミナーで利用することを想定しました。
次に、ツールの仕様について検討しました。「動物占い」「YES・NOチャート」など既存のツールを検証しながら、利用する人が楽しめる・笑える・ポジティブになれることを目指して、企画を進めました。
現在は、以下の6軸に基づいた「レーダーチャート」を作成し、さいたま市内のシニアグループなどに意見をもらいながら、ブラッシュアップを進めています。
〇時間がある【ゆとり】
〇体力【健康】
〇お金【経済】
〇コミュニケーション【人】
〇判断【精神】
〇情報
<空き人診断ツールの運用>
ツールは「シルバー人材センター」や「セカンドライフ支援窓口」での運用を計画しています。また、ツールをつかったワークショップも企画しており、ワークショップのコーディネートをシニアが担うなど、シニアの活躍の場としても期待できます。
《空き人診断ツールに興味をお持ちの方へ》
◇企画や開発に関わるストーリーを聞いてみたい
◇空き人診断ツールをカスタマイズして導入したい
◇自分の地域でもシニア向けのサービスを開発してみたい
ご質問やご相談はこちらからご連絡ください